お疲れさまです。
桜庭裕介です。
今日は力率調整設備をがっつりと学べる記事を配信します。
力率調整設備(電力用コンデンサ|分路リアクトル|同期調速機|静止型無効電力補償装置)を理解する
今回の記事では、力率調整設備の特徴を説明できるようになってもらいます。
力率調整設備は電験1種の1次試験でも出題されます。
電力用コンデンサ、分路リアクトルという設備は、パッと学習しただけでは「試験本番ではどっちがどっちかわからない」状態になりかねない。
形状も似ている。
間違えないためには、原理をよく理解しよう。そうすることで間違えることが限りなく、少なくなります。
力率調整設備
一般的に「調相設備」と呼ばれる。設備の役割としては、系統を適正な力率で運転できるように、「無効電力」を調整する。
①電力用コンデンサ
昼間帯などの重負荷時に、進み無効電力負荷として作用することで、力率改善を図ることができる。(進相電力を供給するとも言うので注意)
※昼間帯等の重負荷時に誘導性負荷が多い理由は、以前の記事でも紹介したが、負荷にはコイルを用いる機器が多いため。
②分路リアクトル
軽負荷時、長距離の送電線やケーブル等でフェランチ効果が生じ、受電端電圧が上昇するのを防ぐため、遅れ無効電力負荷として作用し、力率改善を図ることができる。
(遅相電力を供給するとも言うので注意)
③同期調相機
同期電動機のこと。無負荷運転し、界磁電流を増減することで、無効電力を変動させることができるので、力率改善を図ることができる。
④静止形無効電力補償装置
リアクトルとコンデンサを並列接続した設備。半導体素子を用いることで、リアクトル側に流れる電流を位相制御し、無効電力の調整、力率の調整をすることができる。
至って、シンプルに覚えるべき事項をまとめた。これらは、聞かれてもスムーズかつ確実に説明できるようにしたい。ややこしい部分ほど、シンプルに書いてみるといい。とても覚えやすいし、あとからも思い出しやすい。
*フェランチ効果とは
送電端電圧よりも、受電端電圧の方が高くなる現象。ベクトル図を書くのが一番わかりやすい。別の記事で解説したいと思います。簡単に言うと、送電端電圧=送電線での電圧降下分+受電端電圧であるため、遅相運転と進相運転状態では電流の向きが異なる。受電端電圧と送電端電圧の大きさが逆転する現象。
まとめ
以上が、【電験完全攻略】電力科目「変電設備 力率調整設備」 の記事になります。
本記事で記載した設備の説明は重要部分に絞って、シンプルに説明しています。必ず覚えて欲しいと思います。
自分は仕事柄、定期的にこういった設備を見かけることがあるため、その度、役割等は確認するように心がけています。それほど、似ていて覚えにくい分野だと自分は思っています。
しかし、試験ではよく出題される分野の一つです。1次試験で出題されない年は、二次試験で出題されたり、数年出題されていなくて、急に出題され始めたりするので、確実に身に付けておきたいところです。
フェランチ効果についても、確実に説明できるようにしておきたいので、別の記事で、ベクトルを書いて説明したいと思います。
【参考】
下記のように覚えている方もいました。
「電力用コンデンサは容量性だから、重負荷時の誘導性負荷を打ち消すための設備」
「分路リアクトルは誘導性だから、誘導性負荷の少ない深夜帯に用いる設備」
覚え方は人それぞれで、自分が覚えやすいようにアレンジを加えたりして、頭に残るようにしましょう。
次のステップへ進む
学習サイトトップへ戻る
電験勉強サイト|電力と理論の知識を一気に習得できる - 電験合格からやりたい仕事に就く
今、注目の記事
【PROJECT】電験二次試験過去問の超解説集 -電力・管理- 合格への一歩は毎日のインプットにあるという話 - 電験合格からやりたい仕事に就く