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【電験完全攻略】再生サイクルと給水加熱器の意味を真に理解する。(汽力発電の仕組み③)

【2019年10月12日追記】

電験2種でここが突かれましたね。理解不足だと、試験本番で不安になってしまいますので、①~③の記事でしっかりと学んでおきましょう。

【2019年7月21日追記】
「火力発電に関する効率の公式」を分かりやすく整理した。理解&暗記をする際に活用して頂ければと思う。リクエストがあったので、貼っておく。

 

再生サイクルの仕組みを理解する

前回までの記事で「ランキンサイクル」と「再熱サイクル」を学習した。

 

【電験完全攻略】火力発電の基礎を学ぶ(汽力発電の仕組み①) - 電気主任技術者試験完全攻略

 

【電験完全攻略】火力発電の再熱サイクルを学ぶ(汽力発電の仕組み②) - 電気主任技術者試験完全攻略

 

 

今日は「再生サイクル」という発電方式を紹介する。

現在の大規模ボイラーや火力発電では、再熱サイクルと再生サイクルを両方取り入れた方式が採用されていることをご存じだろうか。

電験において、よく出題されている範囲なのでしっかり学んで欲しい。

電力科目の出題範囲

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再生サイクルの定義

サイクルの勉強のやり方でお勧めなのが、図を使った学習方法だ。

発電所内での教育や現場見学では必ず図を使った説明がある。それだけ言葉では理解しにくいのだ。

図を使った学習は、文字で覚えるより何倍も記憶に定着しやすい。

※電験で何度も失敗している方は共感するはず。ごちゃごちゃ文字で覚えようとしても、結局、試験会場でてんやわんやしてしまう。自分は経験済みだ。

 

ただ、なんでもかんでも図にしてしまうと、それはそれで覚えにくいのでポイントを絞っていこう。


また、再生サイクルを勉強する際のポイントとしては「他との違い」を意識してみて欲しい。今回の解説では「違い」を中心に説明していく。

 

過去問を見て頂けるとわかるが、試験で出題されるときは下記の3つの図は暗記していないと、点が取れない問題がある。絶対に覚えておいて損はない。

 

「再生サイクル」 

 f:id:denken_1:20181020205221j:plain

 

「再熱サイクル」


 f:id:denken_1:20181020171946j:plain

「ランキンサイクル」

 

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各サイクルの図を違いを考えてみよう

これらの図の比較をしてみよう。

再生サイクルは他のサイクルと決定的な違いがあることに気が付くと思う。



給水ポンプのあとに「ある設備」が存在するのだ。




このある設備を理解しよう。
電験3種だけではなく、電験2種1種の二次試験にも使える知識となる。

 

ランキンサイクルを改良し、再生サイクルが生み出された理由

「ある設備」の存在理由は、一言でいうと「効率の向上のため」だ。


では、この設備がどのようなメカニズムで効率向上に貢献できるのか、論理的に説明していく。

給水ポンプの後段に設置されているのがヒント

具体的にどんな機能を果たすのか、少し考えてみて欲しい。

 

 

 

・・

 

 

 

・・・

 

 

 

 

・・・・






何となく想像はついただろうか。





タービンから伸びる配管があるので、イメージは付きやすいと思う。



 

 

答えをいうと

 

 

「ある設備」とは「給水加熱器」のことだ。



「ボイラーに入れる水(給水)の加熱」をする役割を担う。

 


実は、この給水加熱器導入の背景に技術的な研究成果がある。

 

給水加熱器の研究成果とは

ボイラーで作り出した蒸気は、タービンが収納されている部屋(ケーシング)に送り込まれる。

 

高額の費用をかけて作り出した蒸気。

 

実は、この蒸気の1~2割が何の仕事もせず、廃棄されることをご存知だろうか??


構造上の都合で、全ての蒸気をタービン駆動のために使うことは不可能なのだ。(どうしても無駄が発生するということ。)



タービンの羽根の部分の話になる。
蒸気を受ける羽の部分は、構造上、ケーシングの壁に当たらぬようにすき間が設けられているのだ。

その隙間を蒸気が通ってしまい「仕事をしない蒸気」が存在してしまうのである。

仕事をしない蒸気を上手く活用する

給水加熱器の熱源はその蒸気を利用する。
タービンから蒸気を抜き出し、給水加熱器の熱源に利用しようと考えたのが「再熱サイクル」なのである。



タービンで仕事をした蒸気は復水器で水に変えられる。その水が再びボイラーに送られるのだが、その水の温度が高いほど、ボイラーの効率は高まる。


わかりやすい例えで言えば、風呂や電気ケトル。冷たい水を温めるより、温かい水を温めるときの方が早く沸騰するだろう。そのイメージのままだ。

 

この記事を読んだことで、再生サイクルの特徴に加えて、給水加熱器の「役割」「熱源」「機能」を覚えて頂ければと思う。
 

まとめ

以上、「【電験完全攻略】再生サイクルの意味を理解する。(汽力発電の仕組み③)」の記事となります。

電験では、再生サイクルに関する問題は多いので整理しておくと、貴方自身の役に立つでしょう。

この記事を機に再生サイクルの図を書けるようにしておくといいと思います。合わせて、各設備の名称、役割をきちんと説明できるか、今一度確認しておいてください。


電験合格に向け、今日もさらに共に頑張りましょう。

 

【更新履歴】
①2019年7月12日追記
分かりやすく記事修正および関連記事の追加

 

次の学習へ進む(汽力発電の仕組み④)

 「汽力発電」の復習をもう一度しておく

 

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