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【電験完全攻略】火力発電の基礎を学ぶ(汽力発電の仕組み①)

「火力発電」を学ぶ

本記事シリーズは「電験の火力発電の問題が解けるようになる」ことが目的だ。


・電験3種で問われる問題
・電験2種一次試験で問われる問題


実はかなり似ている。※電験1種一次試験では問われる部分が難しくて違いがある。だが、問題文自体は似ている問題も多い。穴埋め部分になっているところがマニアックだったり、混乱しやすかったりするので難しいのだ。


何が言いたいかというと、電験3種の内容が理解できていなければ、2種1種では必ず躓くということ。


本題に入る前に「電験の電力科目の特徴」をまとめたので、一読してもらいたい。何かヒントになる部分が必ずあるはずだ。

電力科目の特徴

電験3種は4科目で構成され、その中の1科目が「電力」である。試験内容としては計算問題もあるものの、それ以上に「言葉の定義」を覚えることが重要である。


論述問題が配点の多くを占めるためだ。


いわゆる暗記科目となるため、学生時代に苦手だった人は苦手意識を覚えるかもしれない。


実は自分も苦手意識があった。理系出身であるため、数学は得意であったが、その他の科目はそこまで得意ではなかった。そのため「電力」は特に勉強をしてきた。


過去問を見て出題範囲を分析してみると、かなり幅が広いことがわかる。発電事業全般を網羅するように問題が出題されている。


やみくもに勉強を始めると、挫折する人も多くいるのが実情だ。


少しは役に立つと思うので「自分が意識している勉強上手く進めるコツ」を一つお伝えしておくと


「楽しくすること」


特に「電験の勉強」ではポイントになると考えている。(正直に言うと、自分も電験の勉強は楽しくはなかったのだが、少しずつ改善したら途中から楽しくなった。個人差があるので、色々試してみるといいだろう。)


現時点で既に楽しくないぞという方はぜひ試してみて欲しい。

 

勉強を楽しく進めていくコツ

「今日はどこを勉強するのか、ハッキリさせる」


自分にとって、これが一番効果的だったと思う。

人間、終わりが見えると頑張れる生き物である。仕事でもそうだが、終わらせようという意識が働くことで集中力は高まる。そのため、電験において、長時間の勉強は禁物。


数百時間という長期戦になるので、無理をすると確実にやる気はなくなる。毎日のやる気がなくなるぐらいなら、集中して勉強して、さっと終えることを心掛けた方がいい。1時間どころか、30分でもいい勉強ができたりするものだ。


机で勉強するといった常識も捨てた方がいい。特に社会人。毎日2時間机に向かって、電験勉強は厳しい。できるだろうけども、つらい。


勉強する範囲はぼんやりさせない方がいいことを伝えておく。具体的に「このページのここまで」と決めると、

ゴロゴロしながら、知識をサッと復習するといった勉強で知識を補おう。

整理した知識は引出やすいので、試験本番での臨機応変な対応もできるようになる。

今回学習する範囲

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「汽力発電全般の仕組み」

電験3種から1種まで出題される極めて重要な分野。まず、言葉の定義をきちんと覚えよう。最初は暗記でもいい。色々勉強し、何度も復習する中で理解できる。

ランキンサイクルというのは、ご存じであろうか。
 汽力発電の基本サイクルで、熱のうんぬんかんぬん・・・と難しく考える必要はない。

「水を温める」⇒「蒸気を作る」⇒「タービンを回す」⇒「使った蒸気を冷やす」

これの繰り返しである。こういったイメージを持っておくと、理解しやすくなる。水を温めて蒸気にするにはどうすればよいだろう?使った蒸気を冷やすにはどうすればいいだろうか?と考えていくと、大体、下のような系統図になるだろう。

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「ボイラー」「過熱器」
⇒タービンを回すための蒸気を作るために、水
を温める役割を担う。

「復水器」
タービンで使い終えた蒸気を水に戻す役割を担う。

「給水ポンプ」
⇒復水器から水をひっぱり、ボイラーに送り込む役割を担う。
 
上記の内容は、今後学習する「汽力発電」の基礎になるので確実に覚えて下さい。言葉の定義が曖昧になりがちなので、ここで理解しておくことで後に役に立る。

ここまで理解できた方は、次のステップに入りましょう。

ボイラーからタービンの間を着目して欲しい。
電験でよく出題されるポイントなので、3つの質問をする。少し考えてみて欲しいです。 

「なぜ、ボイラーがあるのに過熱器が必要なのか」

結論は、蒸気の質を変えるために必要となるため。ボイラーで温めた水をさらに加熱するのである。この理由は、答えられるようになっておきたい。

その理由というのは「過熱蒸気を作り出すためである」

ボイラーから出た蒸気は、まだ湿り気のある蒸気である。これをさらに加熱することで、湿り気がなくなる。また、温度はさらに上昇し、高いエネルギーを持つことで、よりタービンを回すことができるのだ。

「なぜ、湿分の含んだ蒸気ではダメなのか」

答えは「タービンの羽根にダメージが蓄積されるため」
高速の水粒子が羽根に当たることで、羽根の表面が蝕んでしまうのだ。タービンは、実に精巧にできているので、傷に弱い。振動するようになれば、大規模な事故に繋がる可能性も出てくる。

「なぜ、温度が高いほど、蒸気はタービンを回す力があるのか」

答えは、温度が高いほど大きなエネルギーを持つためである。
活発な粒子が増えるようになる。タービンを回す部屋に放たれた蒸気は、温度が高いほど、より高い力で膨張する。この膨張力が、タービンを回す力となる。

上記のことから、プラントで用いる蒸気の理想条件が見つかったと思う。
湿分は限りなく0とし、温度は高い温度であるほど良い。(この記載も試験に出ますので、注意)

 

まとめ

以上が、【電験3種】電力科目「汽力発電の仕組み①」の記事となります。

 

汽力発電の基本的なイメージは作ることができたのでしょうか。また、ランキンサイクルを具体的な設備で考えることができたでしょうか。
身近なところにボイラーはないため、イメージしにくいですが、共に頑張りましょう。電力は、特に勉強してきた科目なので、今後沢山記事にしていきたいと思います。

 

次の学習へ進む(汽力発電の仕組み②)

 

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